日別アーカイブ: 2015年10月12日

Peak Design Slide Summit Edition : ただの色違いだけでは無い

Pocket

 
 
さてさて…

購入後しばらくは箱の中に納まったまま、色違いが出るという事で割引価格で購入するかどうか判断する為に慌てて使い出したPeak Designのストラップ、Slide。その取り回しのし易さ&使い勝手の良さから、長らくSpider Holsterを常用していた私を再びストラップに引き戻したストラップ。詳しくは前回の記事を参照下さい。

昨年(2014年)のKICKSTARTER:Slide&Clutchプロジェクトで製品化、既に発売されていた通常版のSlide(Classic Black)と、日本の代理店からも4日前の2015年10月8日(木)から一般販売が開始された、Slide Summit Edition(Tallac / Lassen)。

PD_Slide_Summit_Edition_box_5071  PD_Slide_Summit_Edition_box_5072  PD_Slide_Summit_Edition_box_open_5073

私は赤系が全く似合わないので『Lassen』の方は実物見た事無いけど、『Tallac』同様、通常版とは異なる専用パッケージが用意されてます。

黒 : Slide (Classic Black)
青 : Slide Summit Edition “Tallac”
赤 : Slide Summit Edition “Lassen”

Slide と Slide Summit Edition “Tallac” 外観
PD_SLIDE_Org_Summit_box_front_5087p  PD_SLIDE_Org_Summit_box_back_5088p
PD_SLIDE_Org_Summit_box_side_5090p  PD_SLIDE_Org_Summit_box_side_5089p

PD_Slide_box_open_4642  PD_Slide_Summit_Edition_box_open_5075
PD_Slide_box_open_4643  PD_SLIDE_Summit_box_open_5117

箱がそれぞれ違うのは、まぁ当然と言えば当然。
でも中身は単なる色違いでしょ?

私も実際手にするまで…と言うか、手にして実際に使用するまではそう思ってました。
けど、そうじゃ無かった。

注 : 素人採寸なので多少の誤差はあるかもしれませんが、一応ノギスあてて計測しました。

【違い①】長さ調節用のアルミ製ハンドルの厚さ
黒 : 2.35mm
青 : 2.5mm

たった0.15mmの差で何が変わる?と思われるかもしれませんが、閉める(ハンドルを倒す)時の感触が違います。黒(通常版)はスルッと閉まるのに対して、青(Summit Edition)はパチンと閉まります。こんなん書いたって分かんねーよ!www
青の方がよりしっかりと閉めてる感触があります。私も実際に両方使ってみて初めて気が付きました。青の方がパチンとしっかりした感触があった。それで見比べてみたらアルミハンドルの厚さが微妙に違ってた事に気付きました。

※下の写真は比較写真みたいになってますが、これ撮ってる時はハンドルの厚さの違いなんて全く気付いてませんでした。むしろ、色だけが違って他の部分は一緒だよってのを見せる為に撮ってたwww
PD_Slide_Summit_original_comparison_5077  PD_Slide_Summit_original_comparison_buckle_5082
PD_Slide_Summit_original_comparision_buckle_5083  PD_SLIDE_Org_Summit_buckle_5126


【違い②】ストラップの肩当てパッド部分の厚さ
黒 : 4.3mm
青 : 6.2mm

これは両者見比べればすぐ分かると思います。ストラップ中央部分、約32cmほどの中側にEVAフォームが内蔵されてるんですが、その厚さが違います。肩に掛けた時にそれを感じるか?と言うと、私は特に感じません。黒でも青でもどちらでもいい感じ。ただ、肩を軸にしてストラップを回転させる時だけこの厚みを感じます。厚みが増す=曲がりにくい。微々たるものなので、両者を実際に比べてみないと分からない程度です。
PD_SLIDE_Org_Summit_thickness_5128
PD_SLIDE_Summit_strap_5122  PD_Slide_belt_5084


【違い③】ストラップの厚さ
黒 : 1.8mm
青 : 1.9mm

これは正直自分でも微妙だと思います。測定誤差と言えなくもない。測定してるモノが硬いモノでは無く、生地だからね。写真で見たって違いなんか分かりません。ただ、実際に使うと黒と青の違いが分かります。黒の方がよりしなやかなんですよね。長さ調節する際も、黒の方はスルッといくのに対して、青の方は若干抵抗がある感じがします。

ガラス繊維入りナイロン製のパーツ(プラスチックのように見えるパーツ)は共通なので、生地の厚さが違えば抵抗も変わってくるわけで…
PD_SLIDE_Org_Summit_buckle_5127  PD_SLIDE_Org_Summit_buckle_5126

注:現在までの使用頻度は黒の方が多いので、使い込まれてしなやかになってる可能性も無きにしも非ず。青も使い込んでいけば同じようになるのかもしれませんが、現時点では不明。ですが、元々がしなやかな素材なんで使い込もうが何しようがしなやかさは変わらないって思ったりもします。


以上3点が通常版SlideとSlide Summit Editionのビミョーな違いw
見た目の違いと言うよりは使用感の違い。私は両方使ってるので、ブラインドテストやってもどっちがどっちってハッキリ分かりますが、両方実際に使い比べてみないと分からない程度のもの。好みの色で選べばいいと思います。

・・・と、言いたいところなんですが、一つ疑問が!

私が持ってるSlide通常版は品番で言うと、『SL-1』なんです。ところが、最近『SL-2』という品番のものが出回ってます。商品名は『Slide』で同じなんですが、品番が違うものが存在する。ヨドバシ.com見てて気付きました。
PD_Slide_SL-1  PD_Slide_SL-2
左側の『SL-1』は販売開始が2015/1/8で現在は販売終了。右側の『SL-2』は販売開始が2015/5/20で販売中。

一方、Slide Summit EditionはLassen(SL-L-2)、Tallac(SL-T-2)共に品番の末尾が『2』なんです。
PD_Slide_SL-L-2_SummitEdition_Lassen  PD_Slide_SL-T-2_SummitEdition_Tallac

となると…私が知ってる限りの情報を総合すると、二つの推測が出来ます。

【推測①】
上で書いた3つのビミョーな違いはSL-1とSL-L-2/SL-T-2の関係では成り立つけど、SL-2とSL-L-2/SL-T-2の関係では成立しない。すなわち、現行の通常版SlideとSummit Editionの違いは本当に色だけの違いでしかない。


【推測②】
通常版でもSummit Editionでも、Anchorが4個付いてきます。実はこのアンカー、現時点で3種類存在します。それぞれ紐の部分の素材が違います。
Kevlar®(第1世代)→ Vectran®(第2世代)→ Dyneema®(第3世代)

紐の素材
登場時期
備考
Kevlar®
(第1世代)
2012年のKICKSTARTER : Leash and CuffDelrin®(丸いパーツの素材)部分には△の刻印
Vectran®
(第2世代)
2014年のKICKSTARTER : Slide and ClutchDelrin®部分にはpdの刻印。
Kevlar®との違いは見た目では分からない。
Dyneema®
(第3世代)
2015年4月頃?Delrin®部分にはpdの刻印。
Dyneema®素材の上にコーティングが施されているのでテカって見える。
摩耗していくに従って、黒→黃→赤と色が変わる。
※注:登場時期に関しては確証はありません。また、Delrin®部分の刻印もVectran®で△というのもあるようです。

左:Vectran® 右:Dyneema®
PD_Slide_Anchor_Vectran_4649  PD_Slide_Anchor_Dyneema_5121

私が持ってる通常版のSlide(SL-1)に付いてたアンカーはVectran®です。Slide Summit Edition “Tallac”(SL-T-2)にはDyneema®が付いてました。

以前の記事にコメントいただきましたが、Anchor Links(アンカーリンクス)も『AL-2』はDyneema®だったそうです。

ヨドバシ.comの商品一覧を見ても、アンカーが付属している製品で品番末尾が『2』のものはおそらく(販売開始時期から察するに)Dyneema®製のアンカーが付属してます。

海外のサイトで製品説明に以下の記述をしてるところがありました。
“The SL2 has an improved stronger anchor system which indicates when it is time to replace your anchors. The outside sheath of the anchor is black, the middle sheath is yellow and the inner sheath is red. When you start seeing yellow, it’s time to replace your anchors.”
『SL-2』…現行通常版のSlideにはDyneema®製のアンカーが付属してるようです。


推測と言いつつも、結論出ちゃった感がありますが…

おそらく、【推測①】は間違いで【推測②】で合ってると思います。
※保証はしません。あくまでも、自己責任でご判断下さい。
※一応、Peak Designには問い合わせ中です。

【2015/10/13 追記】
⇒ Peak Designから返事が来ました。[推測②]が正解です。この記事の番外編の手前に追加情報あります。 ↓↓↓
【追記 おわり】

なので…
■ 上の方に書いた3つのビミョーな違いは、現行の通常版SlideとSlide Summit Editionの関係でも成立すると思われます。
■ Anchorが付属している製品で品番末尾が『2』のものは、アンカー紐の材質がDyneema®であると思われます。この規則に当てはまらない例外もあるんですが…後述します。

まぁ、でもAnchorの紐の材質が何であろうと、実使用上では全く問題無い(気にすることは無い)と私は思います。なんせ私自身未だに第1世代のKevlar®製のアンカー使ってますから〜!!!切れないどころか、摩耗さえ気になりません。色んな製品にAnchor付いてくるので、増えるばかりで一向に減りませんw
もちろん、乱暴に扱えば切れ易くはなるんでしょうけど…私は道具を丁寧に扱うほうなんで乱暴に扱った場合の事例は出せないですw
或いは、すぐ切れちゃったらそれは製造不良の可能性もあるでしょうし。

品番が変わろうが、同じ製品名なら機能・機構は全く同じです。
PD_Slide_Box_Vectran_4642  PD_Slide_Summit_Edition_box_Dyneema_5073p
※Summit Editionの箱には付属のAnchor紐がDyneema®製という事を表すロゴ(紐の断面3色のイラスト+3 LAYER DYNEEMA® CORDの文字)が記載されてました。

これから買われる方は単純に色で選べばいいと思いますよ。私は着る服の色によって使い分けしてます。が…黒の方がより使い易い、と個人的には思いますwww

場合によっては2本同時に持ち出す事もあります。
PD_Slide_Summit_vs_camera_5169  PD_Slide_Summit_vs_camera_5170
大きさはこの程度ですし、素材がしなやかですから収納に困る事はあんまり無いです。
ちなみに、後ろに写ってるカメラはPENTAX K-3 + 縦グリBG-5、リアコン1.4X AW + DA★50-135(フード逆付け)を装着した状態です。

唯一の欠点は、これ使い出すと他のストラップを使う気が全く起きなくなります(注:個人差あり)…w
着脱機構だけが欲しいなら、Anchor Linksを買って他のストラップに付ければいいだけの話しなんですけど、Slideは着脱機構含めて極力シンプルな構造で取り回しがし易く、使い易い。製作者達が実際に自分達で使用してるし、ユーザーからのフィードバックもきちんと反映するし、デザインだけじゃなく使用感にまで踏み込んだ製品作りをしてる…そこまで考え込まれてるから、やっぱり使い易いんですよね。


もうこれでストラップはしばらく新しい物には手を出さずに済むだろうと思ってました…
ところが、今年(2015年)のPeak DesignのKICKSTARTERプロジェクトでAdd-Onに『Slide Lite』なるものが!

文字通り、SlideのLite版です。ミラーレス一眼に合うように小型化したもの。
小型化とは言え、ストラップの長さは変わらず…
PD_Slide_Lite

【Slideからの変更点】
■ ストラップ幅が3.7cm(Slideは5.08cm)
■ ストラップ幅に合わせて、長さ調節用のパーツ小型化
■ 形状が違うAnchor Links(Anchorは共通)
■ 肩あてパッドが付いてない

で、これが上の方で言ってた『例外』です。Slide Liteの品番は『SLL-1』と末尾が『1』ですが、付属のアンカー紐はDyneema®製です。Slide Summit Editionと同じく10月8日から日本でも一般販売が開始されてます。KICKSTARTER出資者の元に届くよりも先に一般向けに販売開始されるという逆転現象が起こった製品です。

私、MX-1にはLeashを使ってるんですけど、長さ調節がちょっとやり難いんですよね。その点、このSlide Lite使えば解消される。
私にしては珍しく、KICKSTARTER出資者へのSurvey記入を未だに完了させてません。例年はすぐに記入してLockdownを待つだけだったんですが、今年はAdd-OnにSlide Liteを追加するか否かで迷い中。製品に対する迷いでは無く、単にお金の問題なんですけどね(爆)

【2015/10/13 追記】
from Peak Design:
SL-2(現行版Slide)、SL-T-2(Tallac)、SL-L-2(Lassen)、SLL-1(Slide Lite)はオリジナルのSlide(SL-1)より3インチ(7.62cm)長いよ、という追加情報いただきました。

測ってみたら…確かに長いです。気が付かんかった…w
【追記 おわり】





番外編

偶然見つけちゃったから書かずにいられないw

まずはこちらの記事を御覧ください。デジカメWatchに10月8日に掲載されてた記事。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20151008_724695.html

モノとしてはいいと思います。けど値段見てビックリしました。んな、アホな!?
いやぁ、よくこんなボッタクリ商品出せますね。自作すれば10分の1程度の費用で出来ますよ。

関わってる連中見て納得しましたけどwww
なんか、3文字のカメラに取り憑かれちゃってる人種の方々がプロデュースしてるらしいです。確かに大昔…銀塩時代の更に昔の時代のカメラとしては良かったのかもしれませんけど、いつまでもその幻想に浸って3文字を冠に商売すりゃ売れるだろって魂胆が…ダセェ

まぁ、色んな人達が居ますし、やる事も自由な世の中ですから別にイイんですけどねw
私自身は激しく腹が立ちました・・・いかんいかん、もっと広い心を持つようにしないと…www

番外編 おわり



 
 
関連記事 by GADGET-SIZE:

  • Peak Design Slide : 私をストラップに引き戻したストラップ
  • PeakDesign、カメラバッグ出すってよ(1)
  • PeakDesign、カメラバッグ出したってよ(2)
  • PeakDesign、カメラバッグ出したってよ(3)
  • PeakDesign、カメラバッグ出したってよ(4)
  • CaptureLENS and Lens Kit (by PeakDesign)
  • Lens Kit (by PeakDesign)をPENTAX Kマウント対応に!
  • PeakDesign Clutch:ハンドストラップ選(1)
  • PeakDesign再び!:Slide & Clutch(on KICKSTARTER):その1
  • PeakDesign再び!:Slide & Clutch(on KICKSTARTER):その2
  • PeakDesign再び!:Slide & Clutch(on KICKSTARTER):その3
  • PeakDesign再び!:Slide & Clutch(on KICKSTARTER):その4
  • PeakDesign再び!:Slide & Clutch(on KICKSTARTER):その5
  • もはや必需品:Capture Pro Camera Clip (by Peak Design)
  • アドビじゃ無いよ(笑):CCCS(Capture Camera Clip System by Peak Design)
  • Capture Camera Clip v2 (KICKSTARTER EDITION) by Peak Design:購入(出資)の経緯
  • カメラを固定:Capture Camera Clip (by Peak Design)
  • ようやく届いた! Capture PRO Camera Clip
  • 最強ストラップシステム(笑):CarrySpeed+BlackRapid+Spider+PeakDesign
  • CARRY SPEEDストラップとSpiderホルスター
  • CARRY SPEEDかSpider Holsterか
  •  
     
    【お知らせ】 from GADGET-SIZE:
    当ブログ全記事へのリンクを設置してます。ご興味のある方はこちらのリンクまたは当サイト上部のタイトルの下にある「特集」リンクからどうぞ。
     
     

    Pocket